le Murmure de Juma☆Jumaのつぶやき

2018年1月から青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、西アフリカのセネガルに来ました。日々の生活や活動を通して思ったことをつぶやきます。セネガルで過ごす日々にどんな出会いが待っているのか。楽しいこと辛いこと歯痒いこと。これからの2年を通して、自分の心がどんな風に変わっていくのか。大きな挑戦への小さな歩みを記すためのブログです。

見守る強さ。

先週は任地のジョフィオールを離れて、
首都ダカールへ行ってきました。

 

同期のシニアボランティアが
学校のバカンス期間中に
2日間のサマースクールを開催、
そのお手伝いとして声を掛けてもらいました。

 

イベントが終わったいま思うのは、
参加させてもらって本当によかったということ。

 

前日準備を入れた3日間、
あっという間に過ぎたその3日間で、
たくさんのことを学ばせてもらいました。

 

障害児・者支援の隊員として
ダカールの学校で活動している同期。

 

私たちの大先輩であり、
気のおけない大切な仲間です。

 

遊びを通じて学ぶ今回のイベントは

この道のスペシャリストの彼女が用意した狙いに基づいて
5つのブースを出しました。

 

1つのブースには2つか3つの遊びがあって、
子どもたちは自分の好きな遊びを
好きなだけ楽しみます。

 

みんなそれぞれ得手不得手があって、
遊びを通じて彼らの持つ
大きな大きな可能性を見つける。

 

そんな2日間でした。 

 

そして、

 

障害をもっているから
これは出来ないだろう。

 

その先入観が
子どもたちが学ぶ機会を奪っていることを
身をもって知りました。

 

当日わたしが担当したのは、
"聴覚の記憶"のブースです。

 

1日目はカード釣り。


わたしが声に出して言った単語と同じ絵のカードを、
枝にひもと磁石をくっつけた釣りざおで釣るゲームです。

 

「ハサミ」

 

と言ったあと、
その言葉がカードを探して釣り上げるまで、
頭に残っているか。

 

それをみる遊びです。

 

2日目は2語文カルタ。


わたしが声に出して言った単語と同じ絵のカードをとるのですが、
今回は聞いて覚える単語が2つになります。

 

例えば


「赤い車」


といったら、

「赤」のカードと「車」のカードをとります。

 

もちろん、
子どもたちの障害にはそれぞれに差があって、
大人と同じように素早く見つけられる子もいれば、
そうじゃない子もいます。

 

ここで大事なのは、
一人ひとりのレベルに合わせること。

 

時間がかかっても
ちゃんと見つけられる子もいます。

 

聴覚だけでは見つけられないけれど、
見本のカードを見せれば
同じカードを見つけられる子もいます。

 

遊びが難し過ぎたら
その子ができるかも知れないことを
試してみます。

 

その時、大人の私たちに必要なのは
辛抱強く見守ること。

 

一つずつカードをみて
考えている子どもたちの目の前に
正解のカードを投げる。

 

そしてこどもが投げ込まれたカードを手にしたとき
大きな拍手と一緒に
「すごいねー!」という。

 

褒められた子どもは
とっても嬉しそうにしている。

 

一見、楽しそうな光景に見えるこの瞬間。


でもそれは
子どもたちから"学ぶ"という貴重な機会を
奪ってしまった瞬間なんだと
このイベントを通じて痛感しました。

 

子どもが時間をかけても
自分のチカラで正解を見つけること。

 

自分のチカラで物事に挑戦して、
課題を突破すること。

 

カードが多すぎてどうしても選べないなら、
正解を指さすのではなく、
まずはカードの数を減らしてみる。

 

10枚からは選べなくても
3枚からなら正解を見つけられるかもしれない。

 

こどもが自分で考えて、選んで、
自分の出来ることをどんどん掘っていくこと。

その大切さを知りました。

 

イベントの終わりにみんなで歌った曲、 
そのフランス語の歌詞を私なりに意訳してみたら、


私たちは国家のこども
私たちは祖国のこども
私たちはセネガルの若さ
私たちに教育を、私たちに教養を
私たちに知る喜びをください
いま私たちはそれを必要としています

 

となりました。

 

もともとの"知識"という単語を"知る喜び"と訳したのは
このイベントを通じて感じる想いがあったからです。

 

このイベント中、
迷って悩んでいるこどもたちを見て、
もどかしくて、正直ちょっとかわいそうな気もして、むずむずしてしまう自分がいました。

 

でも
悩んで、迷っているその姿が
学んでいる姿なんだなと思います。

 

それはこどもだけじゃなくて、
新しいことに挑戦しようとしている人
すべてに言えることなのかもしれません。

 

だからこれからは
見守る強さをもって、
いろんな人が自分のチカラで課題を乗り越える、
その姿をたくさん見られたらいいな、と思います。

 

たくさんの刺激をもらった今回のサマースクール。

自分の知らなかった世界をみることができました。

 

もし日本の企業で働いていたら、
一緒に仕事をする機会がなかっただろう新しい人との出会い。

それは協力隊員ならではの特権です。

 

この貴重な2年で、
今まで知らなかったいろんな世界をどんどん見てきたいなと思います!


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📷1日目のカード釣り。自分では竿を握れない子もいれば、手を伸ばして遠くのカードを釣ろうとする子もいます。一人ひとりの個性にあった教育の機会ができるといいな。その実現のために奮闘する同期に敬意を込めて大きな拍手と声援を送りたいです。