le Murmure de Juma☆Jumaのつぶやき

2018年1月から青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、西アフリカのセネガルに来ました。日々の生活や活動を通して思ったことをつぶやきます。セネガルで過ごす日々にどんな出会いが待っているのか。楽しいこと辛いこと歯痒いこと。これからの2年を通して、自分の心がどんな風に変わっていくのか。大きな挑戦への小さな歩みを記すためのブログです。

家庭訪問始めました。

地元のラジオ局の放送を終え、
12月の中頃から年末にかけて
ついに共済保険(ミュチュエル)の家庭訪問を実施しました。

 

各保健ポストには、

 

ルレ

 

と呼ばれる地域の保健員さんがいます。

 

医師や看護師ではないけれど、
子どもたちの身体測定や予防接種をしたり、
保健に関わる啓発活動をする女性たちです。

 

今回はフィムラの保健ポストのルレさんたちと一緒に家庭訪問をしました。

 

ポスト長から

 

ルレ一人につき、必ず10軒は訪問すること!

 

という指示を出してもらい、

私が各ルレさんとチームを組んで家庭訪問をしました。

 

4人のルレさんと計6日間、
家庭訪問を続けました。

 

4人中3人は今回の活動をやるまで
共済保険のことをほとんど知りませんでした。

 

家庭訪問を始める前に
共済会の会長から仕組みを説明してもらう時間を設け、

実際の家庭訪問の際には
私の作った資料も活用しました。

 

資料では、
共済保険の加入者と非加入者で
治療費にどれだけの差がでるのかを
具体的な金額で示しました。

 

そう、前回の記事に書いた資料です。

 

家庭訪問を始める前の私は正直いって、
加入してくれる人はほんのわずかだろうと思っていました。

 

でも、それでもいいと思っていました。

 

一方的な情報発信のラジオからステップアップして、
目の前にいる人に面と向かって情報提供すること、
そして質問や意見があればその場でちゃんと受け止めるということ、

 

私たちの考えを伝え、相手の考えを聞くこと

 

つまり情報共有です。

 

家庭訪問をする上で
それが一番大切だと思っていたし、
いまもそう思っています。

 

だから、

「会費が高いから入りたくない」とか、
「病院いかないから要らない」とか

そうゆう意見を受け止めて

彼らがなんでそう考えるのか。

 

それを探るのが家庭訪問のメインだと思っていました。

 

ところがいざ家庭訪問を始めると
みんな興味津々。

 

もちろん全員じゃないけれど、
たくさんの人が一生懸命ルレさんたちの説明を聞いて、
質問したり、治療費で困った経験などを語っていました。


共済保健にはいるためには
3つのステップがあります。

 

①一家庭に1冊、1000Fで共済会の手帳を買う
②手帳の中に共済会に登録する家族の情報を記載し顔写真を貼る(一つの手帳で16人まで登録可能)
③登録者一人につき年間3500Fの会費を納める

 

今回の家庭では、

 

①の手帳をその場で購入すれば
②の顔写真をその場で撮影する

 

という特典をつけました。 

 

その特典の効果もあってか

なんと6日間で61冊、
平均して一日に約10冊の手帳が売れました。

 

そして61家庭の
登録者として、350人以上の顔写真を撮影しました。

 

日本から持ってきたデジカメが大いに役立ち
嬉しい限りです。

 

さらに
最初はあまり興味を示さなかった人が
準備した資料の数字を聞いて、

 

つまり
 
7500Fのエコグラフィーが1500Fになるよ
歯を1本治療する4500Fが900Fになるよ

 

と聞いて、急に食いついて真剣になったときは

資料を作って良かったな、と
ラジオの時と同じプチ感動を味わいました。


今回、家庭訪問をして分かったのは、
多くの人が共済保険の存在を知らないということ。

 

入るか入らないかを選択する

 

そこまでたどり着いていないということが分かりました。

 

だから今回、
初めて聞いた共済保険という仕組みに興味を持つ人がいて、
加入するという選択をする人がいたんだと思います。

 

つまり、
ほとんど伸びなかった加入率の原因の一つは、
情報不足だったということです。

 


ただ、問題は他にもあります。

 

前述したステップ③です。

 

手帳を買ったあと、
会費をきちんと払えるのか。

 

もちろん会費を納めなければ
共済保健は利用できず医療費は全額負担です。

 

もし私が父親で、
奥さんと子ども3人を登録者にした場合、

自分を含めた5人分の会費を払わなければいけません。

 

3500F×5 = 17500F

 

です。

 

この金額を払い終わってはじめて
医療費が2割負担になります。

 

果たしてこれから彼らが会費を払うのか。

NOだった場合、
それは、払えないのか、払わないのか。
その原因は何か。

 

それが今後の大きな課題であり、
追いかけていかなければいけない情報だと思います。

 

ともあれ
今回の家庭訪問は共済保険の知名度を確実に上げたという意味で、
とてもよい活動だったと思っています。

 

すべては一緒に働いてくれたルレさんたちのおかげです。


手帳が売れる度に熱が入っていくルレさんたち。

 

最初の2日間しか担当じゃなかったのに
結局6日間すべての家庭訪問に参加したルレさん。

 

昼ごはんの時間を過ぎても
照りつける太陽の下を黙々と歩いて家を回り続けたルレさん。

 

最初はめんどくさそうだったのに
最後には1週間前に共済保険の存在を知ったとは思えないほど熱く語ってくれたルレさん。

 

みんな本当に頑張ってくれました。

 

会議に出るのはお昼が食べられるから、
研修を受けるのはお金がもらえるから、

 

それがセネガルの現状です。

 

でもやっぱり彼らも私たちと同じで、

 

誰かに評価されたり、
結果が数字で返ってくることで
モチベーションがぐっと上がるんだな、

 

と、とても嬉しい発見でした。

 

現地語がまだまだの私は、
家庭訪問ではおまけみたいな存在だったけれど

 

私がずっと一緒に回ることで
やる気が上がったり、

 

「いまの私の説明どうだった?」と聞かれて、
「アッファーハ!(Very good)」と答えると
すごく嬉しそうにしたり、

 

そんなルレさんたちを見ていて
おまけでも何でも居る意味があったなと感じることができました。

 

2018年の最後に気持ちが上がる活動ができて本当に良かった!

 

2019年もこんな風にちょっとでも誰かのチカラになれる活動ができたらいいなぁ。

 

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📷左手前の青い服、ファトゥは6日間わたしと一緒にすべての家庭訪問に付き合ってくれました。本当に感謝です。